自閉症スペクトラム障害の脳内の免疫細胞の働き

自閉症の人の脳では脳内の損傷修復を担う免疫細胞「ミクログリア」が多く、活発になっていることが特殊なPET(陽電子放射断層撮影)装置での検査で明らかになりました。ミクログリアは胎児期に脳に定着すると考えられていますが、このような免疫細胞が活発化する背景には、なんらかのアレルギー反応の関与も考えられます。

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予防接種の薬液の水銀に対してアレルギー反応をおこすと自閉症に

予防接種の中に含有される水銀で自閉症になるという説もあります。最近では小麦製品や乳製品へのアレルギー反応が脳内に発達障害の変化を起こしている可能性も指摘されています。食事療法が発達障害の改善の鍵となる可能性があります。アレルギーは食事療法で改善できるため、自閉症スペクトラム障害の場合も、食事療法により、改善されうるのです。多くのアレルギーは、乳製品、小麦製品と関連しています。乳製品のカゼイン、小麦のグルテンを避けるとよいということです。

自閉症の人は複数種類の神経で情報伝達がうまくいかない

自閉症スペクトラム障害の場合、神経の情報伝達に障害があることを裏付ける結果が出ているわけですが、そもそもの自閉症の発症の原因の一つにアレルギー反応を含むなんらかの免疫反応が関係して、その結果、ミクログリアの異常が起きていると考えられるのです。この細胞の働きを抑えることができれば、自閉症の治療や予防法の開発につながるとのことですが、妊婦の時期には卵や乳製品をできるだけ減らして、さらに小麦製品も少なくし、伝統的な日本食にすることをおすすめします。また授乳中もこれと同じです。発達障害あるいは自閉症の傾向の子どもでも、食事療法をこのようにすることで症状が緩和されることもわかってきています。

小麦グルテンを避けて伝統和食にすると自閉症が改善する可能性

小麦グルテンを避けることで自閉症スペクトラム障害の発生を減らしたり、その症状を緩和したりできる可能性があると考えられてきています。発達障害の食事療法において、欧米では、グルテンフリーという考え方が広まりつつあるのです。実際に、グルテンフリーを実践すると、問題行動がおさまったり、自閉症スペクトラム障害のさまざまな症状が緩和されているとの研究報告も出てきています。いろいろな方法を試しても効果があまり出なかった場合も、小麦グルテンを避けるグルテンフリーは、食事療法の中でも実践しやすい部類に入るので試してみるとよいでしょう。伝統的な和食を選択するだけで小麦の摂取はかなり減らせます。和食でもうどん、そうめん、ラーメンなどの麺類は使えませんが、揚げ物でも小麦粉を使わないで作る方法がありますので、小麦を食べないというのはかなり実践可能な方法といえるでしょう。

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