喫煙と自閉スペクトラム症との関係

若い女性の喫煙習慣は日本の少子化を促進している一面があります。タバコを吸っていると、妊娠しにくい身体になるのです。また、胎児の障害を引き起こす最大の原因がタバコなのです。自閉スペクトラム症が増加することもわかってきています。

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妊婦の喫煙で胎児の脳に起こる障害

妊娠中に母親がタバコを吸うと、胎児への血流障害が日常的に起きるため、生まれてくる赤ちゃんの体重が減ることが分かっています。全世界の十四万人の妊婦を調査した結果では、母親が1日に10本以上吸っていると約200グラム、20本以上吸っていると250グラム、赤ちゃんの出生時の体重が減ります。また、タバコを吸う妊婦には流産や早産が多かったり、無事に生まれても、その子供はその後の発育や読書、算数、一般能力とも、タバコを吸わなかった母親の子供より劣っていた、つまり、学習障害の子供が増えるというイギリスのデータもあります。

母親が喫煙していると胎児の脳の発達に大きな悪影響

母親の喫煙の結果、発達障害やADHD、自閉スペクトラム症の子供が生まれやすくなるのです。親がタバコを吸う家庭では、子供たち、特に乳幼児が風邪を引きやすかったり、気管支炎や肺炎、喘息を起こすことが多いことが知られています。このような呼吸器の疾患は、時には命を落とすような危険性をはらんでいます。イギリスのコレイ博士らの調査によれば、両親がタバコを吸わない家庭の子供が、生後1年間に肺炎や気管支炎にかかる率を1とすると、両親のいずれかがタバコを吸う家庭の子供は1.46倍、両親とも吸う家庭の子供は2.26倍だったと報告しています。タバコの成分はPM2.5と同じ有毒な微粒子です。幼少時から有毒微粒子を吸わされて健康を害されていく子供たちを守るためにも、子育てをしたい夫婦は禁煙を守ることが必須です。

発達障害や未熟児までもがタバコで誘発

厚生労働省の調査結果として「喫煙者の子どもは肥満の確率が高い」と公表しています。喫煙には、発がんや心臓病、精神疾患の増加などさまざまな悪影響がありますが、子供に発達障害や肥満を起こしやすいのでしょうか。肥満に関しての科学的な因果関係はよくわかっていないそうです。統計上、そのような結果になっているのです。タバコを吸うような親には、子供の健康に無関心な親も多いのかもしれません。他の要因が影響している可能性もあるとしていますが、「統計的に有意な差が出た」のは事実です。2001年生まれの子ども約5万人の追跡調査を元にした結果です。五万人の調査なので、かなり正確であると考えられます。おそらく、喫煙者は、健康全般に関心が低く、食生活も外食が多かったり、炭水化物や糖質が過剰になったり、不健全な内容になってくるのではないでしょうか。

親の喫煙で子供が肥満になる

生後6カ月の時点で両親とも非喫煙者か、少なくともいずれかが喫煙者かの場合、子供が肥満になる傾向が、そうでない親の子よりも高かったのです。両親が非喫煙の場合は、食生活など健康への配慮が多い家庭となりがちであるでしょう。その結果として、子供は、健康的な食生活をするし、運動などもするし、肥満になりにくいのではないでしょうか。しかし、それだけではないとも思われます。タバコの煙を吸い込むことそのものが有害であるはずです。親が屋内でタバコを吸っていた子どもの場合、肥満になる確率は、非喫煙者の子どもと比べて男児が4歳以降に20%から58%、女児が2歳以降に21%から71%高かったのです。親が屋外で吸っていた子供の場合でも、男児が5歳以降に15%から29%、女児が5歳以降に18%から33%高くなったのです。

禁煙教育で発達障害の発生を減らせる

この統計では、母親に間食や夜食の習慣があったり、子どもが朝食を食べていないなど、他の生活習慣の要因を排除して推計しても、有意差は残ったということです。だとすれば、タバコの煙の中の有害成分が、肥満になりやすい要因になんらかの影響を与えているとも考えられるのです。親の喫煙は子に発達障害を起こしやすいとされています。子供の脳機能になんらかの悪影響を与えている可能性は否定できません。発達障害の発生を防ぐには、禁煙教育の徹底が大切です。

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