DSM5の改訂と自閉症スペクトラム障害

ひきこもりの中に統合失調症や躁うつ病そして発達障害の患者がかなりの割合で含まれています。アスペルガー症候群もこの中に含まれています。アスペルガー症候群の患者は、すぐれた才能を持つ人も多いです。環境さえ整えてあげればその才能を発揮し人類社会に貢献することが多いことがわかっています。アインシュタインやゴッホやエジソンがアスペルガー症候群であったとされています。彼らの活躍できる環境をうまく整えることができなければ、苦しく生きづらい人生を送ることが多くなります。その結果として、うつ病やパニック障害などを併発します。ところがこのアスペルガー症候群という診断基準が、米国精神医学会の診断基準として有名なDSM5の改訂により、名称が消滅し、「自閉症スペクトラム障害」という名前に一括されました。

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DSM5

自閉症もアスペルガー症候群もすべて、ASD(自閉症スペクトラム障害)に統合されたのです。発達障害とその周辺のカテゴリーに入る患者を杉山登志郎氏は「発達凸凹」と呼称することを提唱しています。また星野仁彦氏は、発達アンバランスと呼んでいます。DSM5で自閉症スペクトラム障害にまとめられたとしても、治療やケアにおける基本的な方向性に変わりはありません。もとより、広くまとめての治療やケアがこれまでなされていたのであり、本質的に何も変わるものではありません。そもそも、発達障害とは、本質的には個性であって、障害とはいいがたいものです。

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