化学物質と発達障害の関係

自閉スペクトラム症(発達障害)とシックハウス症候群と子宮内膜症には共通項があります。それは、健康を害している原因の化学物質が存在している可能性が高いということです。ホルムアルデヒドなどの化学物質が特定されているシックハウス症候群と比べれば、自閉スペクトラム症(発達障害)や、子宮内膜症の明確な原因は医学的に認定されたわけではありません。また、経皮毒という用語そのものが医学用語ではありません。しかし、ネオニコチノイド系農薬が発達障害に大きく関与していることは専門家から指摘されていることです。

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化学物質が呼吸器や皮膚から体内に浸透する仕組みは明らか

しかし、この分野を研究する多くの医師たちは、すでに「経皮毒」という言葉を便利なものとして使っているのが実情です。皮膚から浸透する毒素を説明するのにこれほどわかりやすい命名はないからです。すでに学会誌にも「いわゆる経皮毒」という言い方で散見されます。シックハウス症候群の場合は、ホルムアルデヒドが特定されているので、それは話が通りますが、それ以外の化学物質過敏症ではひとくくりにして、経皮的な有毒性という意味での「いわゆる経皮毒」と理解してよいのです。これはネオニコチノイド系農薬や有機リン系農薬による健康被害と並んで、重要な問題です。

経皮毒性がある化学物質の中には内分泌かく乱物質も含まれる

そして、経皮毒性があるとされる石油系の合成化学物質に、内分泌かく乱作用が認められていることは事実なのです。つまり、子宮内膜症の原因としての状況証拠がかなり揃っているのです。そして、実際に経皮毒を避ける生活をしていくと、これら疾患の症状が改善したとの報告が集められて、研究者の医師たちもその症例を掲載しています。それを考えると、もはや、経皮毒と子宮内膜症、子宮筋腫の因果関係は明白であって、この疾患を治すには、ただちに日常生活の中の有害成分を排除するべきだとの結論になるのです。発達障害などの脳機能の問題についても、これらの毒物の関与は疑われています。ネオニコチノイド系農薬や有機リン系農薬を避けることに加えて、石油系化学物質を避けることは、胎児の脳を守ることにもつながると考えられます。

できるだけ無添加と呼ばれる製品を選ぶようにする

対策は市販のシャンプー、ボディソープ、入浴剤、化粧品を成分を見直して、有害な石油系化学物質の含まれている製品の使用をやめて、無添加製品を使うように全面的に見直すことです。エデト酢酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タール系色素、プロピレングリコール、といった物質を代表とする石油系有害化学物質を含まない無添加製品を選ぶようにすることです。あやしげな高価な海外の無添加製品を買わなくても、国内のメーカーがすでに安価な無添加製品を昔から販売しています。戦前から日本にある企業では、太陽油脂株式会社やミヨシ石鹸株式会社などが有名です。日本に古くからある無添加洗剤のメーカーや無添加化粧品のメーカーの商品のほうが価格も安価で信頼性も高いことはいうまでもありません。ネットワークビジネスなどの商品をわざわざ高いお金を出して購入する必要性はないといえるでしょう。

シックハウス症候群と化学物質過敏症と発達障害

シックハウス症候群とは、住宅用建材の中のホルムアルデヒドやそれに類似した揮発性石油系化学物質による、一種の化学物質化敏症です。石油系化学物質に対するアレルギー反応を主体とする体の反応なのです。それは症状としては、全身倦怠感、腰痛、関節痛、アトピー性皮膚炎を起こしたり、気管支喘息を起こしたり、アレルギー性鼻炎を起こします。シックハウス症候群の症状には腰痛や精神不安定もあります。発達障害の子供は、これらの化学物質の悪影響をより強く受けやすい可能性があります。シックハウスの症状は多岐にわたります。全身倦怠感や腰痛、下痢、関節痛、
あるいは、脳にも影響して情緒不安定、ヒステリーなどの実にさまざまな心身の異常を引き起こす場合もあります。それはすべて、有害な化学物質が体内に揮発性に吸入され、身体内部で、その人の弱い部分にアレルギー反応を起こした結果です。このシックハウス症候群は、住宅の建築方法が変化することで生み出されてきたものです。

建材の石油化学物質の使用がシックハウスの最大の原因

昔の建築方法では石油系の有害化学物質が建築に使用されることもほとんどなく、そのためこのような疾患は見られませんでした。ところが、壁紙や建材が従来のものからコストの安い合板や合材になり、それを張り合わせるのに使う接着剤などの使用量が激増しました。そうした成分が住宅完成後も揮発を続け、住んでいる人がこれを吸い込み、アレルギー反応がおこり、シックハウス症候群が発生したのです。住宅の工法が変わり、建材の種類が変わったことが、この疾患が生まれた原因といえるのです。

シックハウス症候群の本質は化学物質へのアレルギー反応

新築の家に住み始めてからこうした症状が出てきた場合には、住宅の建材のホルムアルデヒドやその類似の揮発性物質の影響が考えられます。最近では、ホルムアルデヒド濃度を安全なレベルに抑えている建材も販売されてはいますが、こうした建材であっても、微量の有害物質が出ている可能性が否定できません。薬剤をまったく使用していないオーガニック系の建材や壁紙であれば、その心配は少ないのですが、一般の住宅ではそこまでの配慮をしているところは少ないでしょう。注文建築の場合などであれば、最初から、薬剤を使っていない建材をすべて使ってもらうことで、悪影響を防止することができます。

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