発達障害は、自閉症スペクトラム障害とも呼ばれ、いわゆる自閉症と広汎性発達障害とアスペルガー症候群のほか、注意欠陥多動性障害(ADHD)と学習障害(LD)を含んでいます。人口の3%ともいわれており、それ以上に多いとも考えられています。ストレスに弱いので、うつ病やパニック障害などを併発しやすい特徴があります。
目次
アスペルガー症候群とADHDなどを含め「自閉症スペクトラム障害」
自閉症は、言葉の発達の遅れ、コミュニケーションの障害、対人関係や社会性の障害が目立ち、パターン化した行動やこだわりを特徴としています。知的な遅れを伴うこともあります。アスペルガー症候群は、基本的に言葉の発達の遅れはなく、コミュニケーションの障害と対人関や社会性の障害を持ちます。言語発達に比べて、運動面などで不器用な傾向があり、パターン化した行動や興味、関心の偏りが目立ちます。注意欠陥性多動性障害は、物事に集中できないことが特徴で、一か所にじっとしていることができず、多動で多弁な傾向があります。授業中に歩き回ったり不規則発言をする児童が典型例です。衝動的に行動する傾向があり、考えるよりも先に動いてしまいます。一方、学習障害は、読むこと、書くこと、計算することが、ほかの知的能力に比べると極端に遅れます。
ADHDとアスペルガーの傾向の特徴
ADHDの人は、片づけるのが苦手です。仕事場やリビングなどがちらかり放題となりがちです。片づけるにしても何から手を付けてよいかがわからない傾向があります。また、時間や期限を守るのが苦手で、遅刻が多く、仕事も先延ばしします。デスクワークなどでじっとしているのが苦手ですぐにそわそわして集中ができず読書などもなかなかできません。また酒や薬や何かの刺激に依存しやすい傾向があります。アスペルガーの人は、しばしばKYといわれます。数字などへのこだわりがあり、特定の分野で驚異的な記憶力を発揮します。スケジュールへのこだわりも強く計画変更が苦手でパニックになることもあります。規則性のある運動たとえば、ダンスや球技なども苦手で手先は不器用なことが多いです。
発達障害だと推測される著名人
武士では源義経、織田信長、坂本龍馬、作家ではトルストイ、ヘミングウェイ、アガサクリスティ、南方熊楠、三島由紀夫、太宰治、宮沢賢治など。発明家では、エジソン、グラハムベルなど。科学者ではアインシュタイン、野口英世、ガリレオ、ニュートンなど。芸術家では、ベートーベン、モーツアルト、ジョン・レノン、ピカソ、ダリ、ダビンチ、ゴッホ、ロダンなど。政治家では、チャーチル、リンカーンなど。実業家では、スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツなど。俳優ではトム・クルーズなど。さまざまな分野で存在しています。このことは、発達障害の傾向があっても、適材適所に位置し、長所を伸ばしていけば、社会において大きな成功を収めることができるということを意味しているのです。その意味で、障害という呼称は、不適切なのかもしれません。