認知行動療法は受け止め方の訓練

発達障害の人は認知のゆがみを抱えやすく、それが、うつ状態を引き起こしたりする大きな原因となっています。発達障害の人にとって、認知行動療法は非常に有益です。生きやすい思考の習慣を育てるのです。認知行動療法では、きっかけとなった出来事と、それに対する感情や行動の反応を振り返る訓練をします。自分の思考や感情の振り返りをすることで、物事の受け止め方を修正していくのです。

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発達障害の人が生きやすさを獲得できる認知行動療法

きっかけとなった出来事をどのように受け止めたのかがわかると、その自動思考とよばれる、無自覚の反応パターンを分類していきます。自動思考に対して、もっと前向きになれるポジティブな受け止め方を考えていく練習をするのです。これを合理的思考といいます。この作業の繰り返しの中でリフレクティブファンクションを高めていくのです。こうして否定的な思考のクセが次第に修正されると、うつ状態や不安感が改善していきます。周囲を変えようとするのではなく、自分の受け止め方を変えることで、苦しみを和らげるのが認知行動療法です。

発達障害から二次的に、うつ病と診断され服薬するケースも

抗うつ薬を飲まないと、どうしてもマイナス思考になってしまいますという人がいます。マイナス思考とは習慣の産物なので、薬とは関係がないものです。薬は気分に影響を与えるでしょうが、薬で思考様式が変わるものではありません。マイナス思考になるのは、自分の持つ人生観や世界観の影響がとても大きいです。それは幼児体験の影響を大きく受けています。価値観を変えるのは時間がかかるものですが、訓練や勉強によって、それを変えていくことは可能です。発達障害がベースにある場合も、二次的に、うつ病と診断されることがありますので、注意が必要です。

薬よりも認知のゆがみの解消に目を向ければ改善する

取り組むべきは、認知のゆがみの解消です。薬を飲みながらでも、その努力はできるものです。それが積み重なることで、薬に依存しなくてもよい状態を育てていくことが大切です。
時間はかかっても、その方向性を認識して一歩ずつ進みましょう。発達障害の人も時間をかければ、認知は成熟し、人格も成長していきます。そして脳機能もまた成長していくので、発達障害の人は時間経過とともに発達していくのです。そしてアンバランスだった面がだんだんと解消され目立たなくなります。時間をかけて認知のゆがみを取れば、薬など必要ない生きやすい人生が実現できるのです。

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