発達障害と愛着障害は大きな関連を持っています。親子のコミュニケーションの中に、安心と受容と肯定があれば、愛着障害になることはありません。発達障害の傾向がある子供も、愛着障害を予防する育て方をすると、症状が緩和されることがわかってきています。しかし、多くの親子の関係は、子供に安心を与えない、子供を受容しない、子供を肯定しない、親からの配慮と理解に書けた悪い働きかけを含んでいます。
目次
子供に受容的、共感的に接しているか
愛着障害になりやすい家庭では、親子での会話が、お互いをさげすんだり、あからさまに悪く言ったり、言葉が汚く、とげのあるものになっているものです。健全な親子の愛着を育むには、本来は、お互いをほめたたえない、ささえあうのが家族です。ところが夫婦や親子に信頼と愛情がなくなり、不和になって、口論を子供の目の前で行い、家庭の中には冷たい空気が漂っているようなとき、その子供の受けとる愛情が不足することになります。子供は常にその被害を受けることになります。離婚のもっとも大きな被害者は子供です。
愛着障害の大きな原因の一つは親の離婚
夫婦観の問題においては、離婚以外の選択肢がないことも、もちろんあります。しかしながら、いかなる場合でも、夫婦の不和と不信から、子供の愛着障害が始まるのです。子供が成長して思春期を過ぎている場合は悪影響は小さく抑えられます。しかし、幼児期や小学生ぐらいまでは、甚大な影響があります。そして、多くの場合、その夫婦もまた、自分の親からの愛情不足による愛着障害者なのです。まさに負の連鎖であり、これをどこかに断ち切り、子供達を守らねばなりません。
人間形成障害とと愛着障害
不登校やひきこもり、いじめなどの不可解な若者が今の時代大量発生している理由は愛着障害が増えているからです。そして、母親や父親のなすべきことを学校で明解に教えられていないことが大きな要因です。幼児期に人間形成に必要な適切な養育を受けられないことが原因で、子供が不登校やひきこもりになり、いじめの加害者や、被害者になることは多いのです。これらはすべて人間形成における未熟さが引き起こしているのです。未熟な人格がそのまま成長することでおこる人格障害という疾患もありますが、発達障害の場合も、人間形成における適切な養育があれば、才能を磨いて成功することが可能です。
家庭の果たすべき役割と機能について
本来は、親学というものは学校教育の中で子供に教えられるべきものです。そうすることで虐待の連鎖、親からの支配の連鎖などの親子間での歪んだ人間関係の継承を断ち切り、新しい親子関係を構築することができるのです。発達障害の子に対してでも、これは同じことであり、人間形成を重視する教育は症状を緩和することにつながるのです。