大人の発達障害ではADHDが多い

大人の発達障害が増えているのは、子どものときに見過ごされてきたものが、大人になって診断されるケースが増えているからです。ADHDの場合、成人しても半数以上が症状をそのまま持ち続けているということが、長期の追跡調査などで判明しています。また、アメリカでは成人の10人に一人はなんらかの程度のADHDではないかともいわれているほどです。

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変った人として放置されがちなADHD

ADHDの場合、特に、個性や性格の問題として放置されてしまいがちです。専門医が少なく、診断されるチャンスがないことも原因です。発達障害という言葉に対する誤解もいまだにあります。知能が遅れていて学校のお勉強についていけないのが発達障害なのだと思い込んでいる人も多いです。ADHDはしばしばLD(学習障害)を合併しますので、そういう誤解もおきやすいのです。また重度の自閉症は知的障害を合併することも多いです。それと、アスペルガー症候群とADHDは、しばしば複雑に合併しています。

大人の発達障害の特徴

つまりADHDとアスペルガー症候群の両方の要素をもっている人も多いということです。そして、家庭環境や学校の友人関係などの影響で、思春期から青年期にかけて、さまざまな精神症状が合併してくることも多いです。うつ病や不安障害、パニック障害なども多いです。成人してからいろいろな依存症になる人もいます。薬物依存やアルコール依存などになりやすいのです。さらにはパーソナリティ障害への進むこともあります。こうした変化は、その子どもがどのようなストレスにさらされるかによって変わってきます。

発達障害はストレスに弱い

発達障害の子どもの特性として、ストレスに対する抵抗力が弱いことがあげられます。つまり、いじめにあって不登校になったり、引きこもりになったりするリスクが高いのです。その時点では、すでに発達障害よりも、その二次的な症状、障害のほうに周囲の関心はむいてしまい、発達障害の本来の改善策のほうを後回しにしてしまうことにもなりかねません。つまり、うつ病や統合失調症などと診断され、その薬を投与されつづけるケースが多いのです。

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