発達障害に関心を持つ精神科医である宮岡等氏と発達障害診療の専門家である内山登紀夫氏が対談の形で、「発達障害って何?」という疑問から、「症状は?」「診断は?」「治療は?」といった臨床的な議論を白黒はっきり語りつくした本です。宮岡先生の問いかけに、自閉症スペクトラム障害の第一人者である内山先生が答えます。大人の発達障害のすべてがわかる一冊です。大人の発達障害を理解したい人に最適の書です。ほかの精神疾患との鑑別をしっかりと記述している本なのでおすすめです。素人が読んでも十分に参考になります。
大人の発達障害の克服
児童精神科医と成人精神科医の対談で、鑑別診断から治療やケアまで語り合っています。日本では、成人後の発達障害者の専門家があまりいません。ASDと統合失調症の鑑別、ADHDと双極性障害の鑑別など、興味深い内容が出ています。内省を求める精神療法が適切でない事などにも言及されており、参考になります。環境構築つまり、生活の枠組み、スケジュールの重要性について詳述されています。「出来ないこと」を「理解できない指示」でやらせて成功することはありません。実行可能な枠組みを、理解できる方法で伝えることが大切です。