ストレスは適応障害の原因となりますが、職場のメンタルヘルスにおいても、
労働者に過剰なストレスを与えないことが重要とされています。
特に発達障害の傾向がある人はストレスへの対処法が未熟である場合が多いです。
その結果、発達障害のない人と比べると、適応障害になりやすい傾向があります。
目次
適応障害は、職場環境などになじめないことでおこる
適応障害は、職場での心労やトラブルが原因の場合が多いです。
うつ、不安、意欲喪失、自信喪失、体調不良などの症状が出ます。
職場環境の変化や、仕事のうえでの負担や責任の増大がひきがねになります。
きっかけになるのが、挫折や失敗や上司からの叱責や批判、非難といった外圧です。
こうした否定的な体験や孤立的な状況などがあることで、適応障害が発生します。
居場所がなく、プライドを傷つけられたために心が折れてしまったような状態です。
そして、ADHDやアスペルガー症候群の人は、このような挫折経験に
直面することが非常に多くなります。
適応障害をすみやかに発見し対処すれば回復する
この状態のときにすみやかに発見され、不適応となった環境から脱出をしたり、
なんらかの方法でそのストレスを緩和できれば、回復することが多いです。
適応障害になるのは、適応能力が低い人ばかりとは限りません。
いかなる人でも、その人にふさわしくないストレス環境にさらされれば、発症するリスクがあります。
しかし、発達障害の人の場合、ほかの人であればミスしないところでミスしたり、
できて当たり前の行動ができなかったりするため、上司の叱責を受ける頻度が増えます。
発達障害の人の場合も、そうでない場合も、
本人のもつ限度をこえるようなストレスがかかることで適応障害になるのです。
いわゆる新型うつ病の多くは、正確には適応障害であるケースも多いです。
原因になっているストレスが除去されれば、みるみる回復
適材適所の言葉どおり、個々の能力を分析して、最適な部署に配置して、
個性を生かす工夫をすれば、もとの元気をとりもどすことが多いです。
それだけに、職場でのメンタルヘルスにおいては、
この適応障害の段階で、発見し、適切な対処をすることで、
労働者のメンタルを守ることにもつながるのです。
大切なことは環境要因を解決するだけではなく、
患者本人が、試練を乗り越える技術を身につけることも重要だという点です。
心理療法などにより、個々人のセルフコントロールの能力や認知のゆがみの是正も
あわせておしすすめることで、解決が早くなります。
心が折れてしまわないための思考法を会得することも重要なのです。