人前に出ると不安で息苦しい感覚に陥るものを社会不安障害と呼び、心療内科や精神科での治療の対象となっています。人が恐くて学校や会社にも行くことができないという場合、社会不安障害の可能性があります。「社会不安障害」という病気は、本人の思考、認知を修正することで、改善することも多く、思い込みを修正する認知行動療法などが効果的とされます。
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発達障害と社会不安障害の関係
うつ病、アルコール依存症に次いで問題とされる社会不安障害ですが、実は発達障害の人は社会不安障害になりやすいことがわかっています。それを脱却するには、思考のフレームを変えることをめざします。偏った思いこみの修正がもっとも重要です。緊張を和らげる訓練も効果的です。心配や不安が性格的なものではなく、「社会不安障害(SAD)」という精神疾患として認識されると、対策を効果的に施せるようになります。自分のパフォーマンスに対する過度な期待と、自分の行動が悪い結果を招くという思い込みが大きく影響します。発達障害の傾向がある人はこのような思い込みを持ちやすいのです。ゆがんだセルフイメージにもとづく自分の人間性の否定が根源にあり、自分がきちんと行動できているか意識する心に縛られているのです。このマイナス思考を修正することがSADの思考パターンを変えるうえで重要です。心理療法はおおいに役立ちます。
スマホ依存症と発達障害
発達障害のことを、PDD(広汎性発達障害)ということもあれば、ASD(自閉症スペクトラム障害)ということもあります。これはどちらも同じ概念と考えてほぼ間違いありません。またADHDはこれとは別の概念ですが、多くのPDDは、ADHDの症状を併存させていることもわかっています。これらの発達障害の人の特徴として、同じことの反復を好むというのがあります。これは特に、アスペルガー症候群と呼ばれるタイプに多い傾向ですが、ADHDの場合にもありえる症状です。この傾向をもつ人は、ニコチン依存症や買い物依存症やパチンコ依存症などの依存症になりやすいのです。人間に依存性を植えつけるものはたくさんあります。その中には社会的な要因が、人を依存症にしてしまっているものもあります。
パチンコ依存症、ギャンブル依存症も発達障害に関連
日本国内に130万人もいるといわれるパチンコ依存症もそのひとつです。パチンコ依存症はギャンブル依存症のひとつですが、この病気になると、本人だけではなく家族などの周囲の人々が苦しみます。精神的なアヘンともいわれるほどの執着を生み、中毒になるとサラ金で多額の借金をしてでも、パチンコをやろうとします。炎天下のパチンコ屋の駐車場での幼児の置き去り死の事件は毎年のように繰り返されています。それだけではなく、あまり報道はされませんが、パチンコ屋のトイレなどでの自殺の事件は多いです。この依存は、本人が固く決心したぐらいではなかなか解決しません。決心や自覚だけで、治らないのがパチンコ依存症です。これだけの蔓延がおきている理由のひとつは、メディアを使ったマインドコントロールです。今ではゴールデンタイムも含めて朝から晩まで、パチンコ、パチスロのテレビコマーシャルが流されています。テレビを見ると、繰り返しCMが流れてまたパチンコをやりたくなるのです。パチンコの画面は点滅を繰り返して、一種の催眠誘導効果があります。どんどんはまっていく理由のひとつはここにもあります。いくらやめようとしても、これだけの洗脳行為が社会から行われていることが大きな障害になっています。
心理療法を駆使して依存症を克服する
先進国で市街地の中心部にギャンブル施設が建っているような国はあまり存在しません。日本ぐらいのものです。駅前の一等地に堂々と存在しているので、簡単に入れます。「家族に嘘をついてパチンコに行ったことがある。」「パチンコに行きたくて、うずうずしてしまうことがある。」「自分で決めた額以上のお金をパチンコにつぎ込んだことがある。」「パチンコのため、約束を破ったり待ち合わせ時間に遅れたことがある。」こういった特徴があれば、その人はパチンコ依存症の可能性があります。パチンコ依存症は、薬で治るものではありません。完治させるには、カウンセリングや催眠療法などの心理療法を使います。心のアヘンとも呼ばれるパチンコ。パチンコ依存症を克服したい方は、まずは心理療法を受けてみられることをおすすめします。心理療法とは、カウンセリングやヒプノセラピーのことであり、心の状態を知ってそれを変えることを医師やカウンセラーのサポートによって達成します。認知のゆがみを解消して潜在意識を変えていくことで、行動習慣を変えることができます。認知療法、催眠療法などの心理療法は、すべてこの方法で問題を解決します。