ADHDに使われるストラテラとピクノジェノール

ストラテラとは、「アトモキセチン」という薬物で、ADHDの不注意や多動、
衝動性に関する行動を緩和するために使われている薬です。注意力を高めたり、
落ち着きを取り戻すとされています。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)が問題になるのは多くは学齢期です。
授業に集中できず歩き回ったりすることで受診することが多く、ストラテラを
処方されることもあります。

目次

発達障害の集中力や注意力の欠如、多動性・衝動性に使われる薬

ADHDは学校での集団生活に支障をきたすだけでなく、学業が進まず、
その半数は成人期になっても症状が持続するといわれています。

ストラテラの作用機序はよく分かっていないところも多く、脳内神経伝達物質ノルアドレナリンが、
ADHDの集中力や注意力に関与しているらしいことがわかっていて、
脳にあるノルアドレナリントランスポーターを選択的阻害し、ノルアドレナリンやドパミンの
再取り込みを阻止することで濃度を上昇させ効果を発揮すると考えられています。

コンサータに続く国内二番目のADHDのための薬ストラテラ

メチルフェニデート(コンサータ)が中枢神経刺激薬であるのに対し、ストラテラは非中枢神経刺激薬です。
メチルフェニデートのような依存・乱用のリスクなど副作用も比較的少ないとされています。
速効性はなく、服用してから6~8週目で効果が安定していきます。

ストラテラの服用後かえって怒りっぽくなったり、悲観的になることがあります。
また、不穏な行動をとるなど精神の変調が起こる場合があり、
ストラテラを飲むのを急に中止すると反動で症状が悪化する場合があります。

腹痛、食欲不振や吐き気などの胃腸症状が出ることもあります。頭痛や眠気も多く、
睡眠時間が長くなり、日中でも横になりっぱなしになることもあります。
攻撃的行動や敵意の発現など悪い衝動にかられる精神の変調が出る場合もあります。

ピクノジェノールはフランス海岸松の樹脂

こうした合成薬物には重い副作用が出るなどの問題もあり、ADHDの治療のためにこれらの
薬物療法に取り組むことに大きな不安を持つ家族もあります。
その場合に、ピクノジェノールが役立つかもしれません。
欧米ではADHDをはじめピクノジェノールをさまざまに応用してきた
歴史があります。

もともとは北米インデアンが松の樹皮を煎じた薬草茶をさまざまな病気治療に活用していたもので
フランス海岸松に同様の効果があることがわかると、はじめは心臓病や糖尿病性網膜症や、
女性の子宮の病気やPMSなどにピクノジェノールは使われてきました。

それがADHDにみられる過度の緊張や落ち着きのなさや、集中力の欠如などにも
緩和の働きが認められるようになると、活用範囲が広がったのです。
今ではペットの犬の落ち着きのなさや攻撃性などを緩和するためにも使われています。
「大人の発達障害」に関する著書の多い星野仁彦医師も著書の中でピクノジェノールを
取り上げています。

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